海(うみ)nanimositeinai’s blog

                             父は私を「素直な子」と言う呪縛で、ひとに歯向かわない女性に育てました。私は猿夫と結婚して「あぁ この人と結婚して良かった♪」と思った事は 且て今まで一度たりともありません。現在は精神疾患を持つアラフォーの長女と 出戻り息子との三人暮らしです。夫の名言【何もしていない】

「淳」土師守 著

この本だけは正規ルートで(定価+税)の支払いで購入しました

お父さんの淳くんに対する愛情があふれ出て

二重の意味でつらい本でした

 

著者は 犠牲となった淳くんのお父さんですが

男親にも関わらず、淳くんの1~2歳のことば発育の遅れを敏感にキャッチし

妻任せにせず、自ら 専門の医者にも連れて行きます

奥様と手を携えて、愛情深く淳くん兄弟を育てているさまが

手に取るように見えてきます

淳くんが、プールが好きな事・几帳面な整理整頓の仕方・犬だけは苦手な事

好きな曲「♪翼をください♪」・機関車トーマスのビデオを擦り切れるまで見ていた事

花はひまわりが好きな事・ジグソーパズルの作り方…

実に事細かく 男親とは思えないほど淳くんの性格や行動を把握されています

 

我が子三人が風邪で熱を出し、長女の喘息発作の為 

後ろ髪引かれる思いで、夜中に取り敢えず彼女一人だけ小児急患センターへ連れて走った私達母子に見向きもせず、横で高いびきで寝ていた猿夫とは

雲泥の差です

 

「淳」 その中には、お母さんの手作り弁当で、家族して

あちこちの公園にピクニックに出かけ

足腰たくましくなった男の子の健康的な姿が浮かび上がります

テーマパークのみならず、温泉や観光船など

淳くんの好きな場所に連れていき、家族で余暇を楽しむ風景が

最初の35ページにびっちり詰まっていました

 

…ああ、こんな人が私の父親だったらなぁ…

年に一回 海には連れて行ってくれた 亡き父ではありますが

食事時のお喋りは一切禁止し、雑談も交わさなかった頑固おやじの

その畏怖感あふれる姿は 幼い私には恐怖以外の何ものでもなかったのです

大人になってからでも 他愛ない会話の出来る父親だったら

おそらく 私は猿夫を伴侶に選ばなかったでしょう

 

淳くんは 11年間の短い間ではありましたが

その毎日は幸せ感あふれる日々だったと思います

申し訳ないですが、私は彼を羨ましく思いました

 

愛情深い筆者のお父さんは、淳くんの特徴

知的発育が遅れている分、感受性が鋭いこと

そしてジグソーパズルの作り方から、彼の「直感像素質」を把握されていました

少年Aも同じ「直感像素質」の持ち主でもあったので

これが事件の原因だったのかも?、と妄想します