この本だけは正規ルートで(定価+税)の支払いで購入しました
お父さんの淳くんに対する愛情があふれ出て
二重の意味でつらい本でした
著者は 犠牲となった淳くんのお父さんですが
男親にも関わらず、淳くんの1~2歳のことば発育の遅れを敏感にキャッチし
妻任せにせず、自ら 専門の医者にも連れて行きます
奥様と手を携えて、愛情深く淳くん兄弟を育てているさまが
手に取るように見えてきます
淳くんが、プールが好きな事・几帳面な整理整頓の仕方・犬だけは苦手な事
好きな曲「♪翼をください♪」・機関車トーマスのビデオを擦り切れるまで見ていた事
花はひまわりが好きな事・ジグソーパズルの作り方…
実に事細かく 男親とは思えないほど淳くんの性格や行動を把握されています
我が子三人が風邪で熱を出し、長女の喘息発作の為
後ろ髪引かれる思いで、夜中に取り敢えず彼女一人だけ小児急患センターへ連れて走った私達母子に見向きもせず、横で高いびきで寝ていた猿夫とは
雲泥の差です
「淳」 その中には、お母さんの手作り弁当で、家族して
あちこちの公園にピクニックに出かけ
足腰たくましくなった男の子の健康的な姿が浮かび上がります
テーマパークのみならず、温泉や観光船など
淳くんの好きな場所に連れていき、家族で余暇を楽しむ風景が
最初の35ページにびっちり詰まっていました
…ああ、こんな人が私の父親だったらなぁ…
年に一回 海には連れて行ってくれた 亡き父ではありますが
食事時のお喋りは一切禁止し、雑談も交わさなかった頑固おやじの
その畏怖感あふれる姿は 幼い私には恐怖以外の何ものでもなかったのです
大人になってからでも 他愛ない会話の出来る父親だったら
おそらく 私は猿夫を伴侶に選ばなかったでしょう
淳くんは 11年間の短い間ではありましたが
その毎日は幸せ感あふれる日々だったと思います
申し訳ないですが、私は彼を羨ましく思いました
愛情深い筆者のお父さんは、淳くんの特徴
知的発育が遅れている分、感受性が鋭いこと
そしてジグソーパズルの作り方から、彼の「直感像素質」を把握されていました
少年Aも同じ「直感像素質」の持ち主でもあったので
これが事件の原因だったのかも?、と妄想します