「お前一人の身体じゃないんだから・・」
猿夫は照れくさそうに、そして
多分、その言葉が愛情表現だと信じている感でした
『大事な躰なんだから 大切にしろよ』と言うつもりだったのかも分かりません
まだ子供達三人が乳児・幼児だった頃
一旦おさまった風邪が またぶり返し
とうとう肺炎を起こして入院し
そして退院した直後の 猿夫の言葉掛けだったように記憶しています
私には とても愛情表現の言葉には思えなかったのです
え? 私一人の身体じゃない ってことは
つまり、家族みんなでこき使う為の身体だから?
いやいや、ワタシ一人の身体にして欲しいワヨ
そう考えたのは 私がひねくれていたのでしょうか?
猿夫を見た他人は ほとんどの人が私に
「優しそうな旦那さんね」と言います
入院中の同じ大部屋に居た周りのオバさん達も
子供三人を引き連れて猿夫が見舞いに来た 後
「優しそうな旦那さんね」
いやいや、優しくないから
家事も子育ても 何も手伝わない人だから
ほんの二~三十分の子守りさえもしないから、妻は夕食も摂れず
治る風邪も治らずに肺炎になったのよ
とは言えず、「うーん、、そうでもないけどね・・」と言葉を濁した時
すぐ傍にいた年輩の看護婦(師)さんが
「人は見掛けによらないわよね」
と言ったのが、妙に心に小気味よく残っています
彼女は密かに推測出来ていたのかも分かりません
夫が何も手助けしなかったから
妻が風邪をこじらせてしまったのだろう、と
私は演歌は嫌いです
~♪お前ひとりの身体じゃないよと~♪
男目線の歌詞内容に心密かに腹を立て
なぜ 女性も同じ価値観を持ってしまうのだろう、と考えるからです
関係ない話しですが
「女の子の大事な部分」と言う表現があります
私に言わせれば 全部 大事です
鼻の孔も大切な部分です