数年前、精神障害福祉の方向から
週一の割り合いで 居宅サービスに来てくれていた
ヘルパー「あ」さん
買い物・掃除・調理サービスを提供してくれていました
彼女は ほぼ私と同年輩のバツいち奥さんでした
歳の離れた旦那さんとの再婚は、癌を患った現彼の 看病・介護を担う為の
成婚だったそうで、彼女も経済的安定を得る 契約婚みたいなもの
と聞いていました
癌の治療費は高いらしく、最初はそんな世間話から始まりました
「そうなの!?、そんなに高いの?大変ね」
お喋りはやがて 彼女の受け持つ利用者の悪口にも発展していきました
仕事柄、理不尽な扱いを受けるであろう事は想像出来ます
「そんな事言われたら そりゃ頭に来るわよね」
私は 話しを聴いて大いに驚き、相槌も欠かせません
彼女は家事が好きで、ヘルパーは天職だと思う、とも言っていました
対して 私は家事が嫌いです
「わー!そうなの!?私は家事が苦手でバンバン下手なのよ」
と 彼女を持ちあげます
ヘルパー「あ」さんは 他の介護施設にも回って
御老人の身体介護も受け持っています
下の世話の大変さ、お風呂に入れる大変さ
綿密に 私に教えてくれました
対して、私は臆病なので 汚物はおろか
お風呂の排水口に溜まった髪さえ怖く感じるのです
抜けた長い髪に対する恐怖感、
これには訳があって
幼い頃、祖母が私の子守りをする時
一緒に よく街角の映画館に連れて行きました
祖母の好んだ映画は「化け猫」「幽霊女」などのホラーでした
幽霊女は 必ず髪が長く、バサっと髪が抜け落ちたりするのです
四~五歳の私には おそらく強烈な恐怖だったのでしょう
そんな話しをヘルパー「あ」さんにお喋りしながら
サービス精神たくましく 彼女を持ち上げていると…
ヘルパー開始から数ヵ月の頃でした
何の配慮も無く、彼女は言い斬りました
「お母さん(私のことです)にはヘルパーの仕事は無理だと思うわ」
私が その事業所と縁を切ったのは、その「あ」さんの言葉が決定打でした
くだらないプライドを持った私は
「お母さんにはヘルパーは無理」
無能呼ばわりされた様に感じたのです