その日は来るべくして やって来ました
パートを始めて数年経った頃です
毎年、盆正月には 猿夫の郷に2~3日帰省するのですが
その際には 高級目の食材を買い、私が料理人となって
向こうの舅・姑にも 御馳走を振る舞います
その年は勇気を出して
私は行かない、と言いました
平静を装いながら「なぜ行かない?」と猿夫
子供達は その場に居なかったと思います
私は勇気を奮って「自分の お金を使って、気を遣って、躰を使うのが嫌だから」
と答えました
瞬時でした
猿夫の手が 私の頬・顎めがけて飛んできました
私は 他人はおろか 親にも殴られた経験はありません
私を殴ったのは、後にも先にも猿夫 ただ一人です
茫然!、としながらも「やっぱり・・」と 私は変に納得出来ました
本性が表れたのです
猿夫は、倒れて起き上がれない状態の私に
3万円を投げてよこしました
(本当は いつも私の財布から出す金額は3万円を超えていたのですが
黙っていました
無いより マシです)
こう表現しては 猿社会のボス猿に対して
失礼に当たるとは思いますが
私には、 猿夫がボス猿にしか見えませんでした
ある程度 餌を与えて腹を満たしておけば 危害は加えないけれど
餌が不足すると襲って来る、言葉の通じない畜生・・
その体験を経て、 ボス猿は
威嚇すれば 私を思い通りに動かせる事を学習しました