海(うみ)nanimositeinai’s blog

                             父は私を「素直な子」と言う呪縛で、ひとに歯向かわない女性に育てました。私は猿夫と結婚して「あぁ この人と結婚して良かった♪」と思った事は 且て今まで一度たりともありません。現在は精神疾患を持つアラフォーの長女と 出戻り息子との三人暮らしです。夫の名言【何もしていない】

亡き父と祖母と金貨

みんなニコニコ仲良し家族は、絵に描いた餅かも分かりません

今は亡き父と その実母の関係も「犬猿の仲」と言われていました

 

普段は無口な父でしたが、私が大人になってからは

しばしば

「お前は長男だから 将来はカマドの灰までお前の物になるんだから」と言われて

弟や妹の祝儀の宴まで負担させられた

と よく不満を漏らしていました

特に、実母である祖母をこころよく思っていなかった感がありました

転勤の辞令が降りたのは 父にとって幸運だったのかも分かりません

当時 まだ母も存命だった私達五人家族は

祖母と離れて 今現在 私の住まう地域に引っ越しました

私がまだ小学生の頃です

そして 数年後、私が高校にあがって間もなく母は他界します

引っ越してからの その数年間、祖母との交流は途絶えていたのですが

母亡き後、何を思ってか 祖母が時々 電車を2時間乗り継ぎ

私達の家にやって来ます

2~3泊して 洗濯や食事作りをしてくれるので

私は嬉しかったのですが 父は表面上の「ありがとう」だけ言っていました

 

高校のテストの日でした

私は早々と家に帰り「ただいまぁ~!」と自室に入る時

祖母は箪笥の引き出しを開けて 何か捜し物をしていました

その瞬間は 私は何も感じなかったのですが

数分後、祖母がわざわざ私の部屋まで来て

「この紐を探していたんよ」と着物の紐を私に見せた時

大いなる違和感が心の底に残りました

 

謎が解けるまで何十年経ったでしょうか

 

末っ子の虎が学生マンションに移り住んだ後

脚も弱り、頭も弱り始めた父の元に、私が毎日通うようになった時

「最近 すっかり物忘れするようになって…」と話し始めたのが

金貨の話しでした

「子供の頃、伯父さんに貰った金貨を大事に肌身離さず いつも背広のポケットに入れていたんだけど

どこに片付けたのか忘れてしまって、探しても見つからない」

 

私だけが犯人を知っています