海(うみ)nanimositeinai’s blog

                             父は私を「素直な子」と言う呪縛で、ひとに歯向かわない女性に育てました。私は猿夫と結婚して「あぁ この人と結婚して良かった♪」と思った事は 且て今まで一度たりともありません。現在は精神疾患を持つアラフォーの長女と 出戻り息子との三人暮らしです。夫の名言【何もしていない】

フィルター

私は 豹を全面的に信頼していました
 
自ら精神科に通い 眠剤をもらっていた長女
過去には早朝アルバイトも真面目に勤め上げた豹です
 
もう 一人前の成人女性、と信じ
ゆっくり養生さえすれば 神経も治まる と
 
 
しかし その信頼が ただのフィルターに過ぎなかった事を知るまで
充分過ぎるほどの月日が流れました
 
 
医者からもらった 沢山の錠剤が入った薬袋を、豹は
「毒が入れられている」と廃棄し
「自力で治す」と 健気なオーラを放ちました
 
ある時には「道ですれ違った人の感情が読めるのよ」
 
ある時には「誰かに尾行されている」
と不安げでした
 
若い女の子です
物騒な昨今 そんな可能性もあるでしょう
 
「この部屋には盗聴器が仕掛けられている」
 
実を言うと、私が猿夫からの別居の為に
密かに買ったつもりの 小さな家
会社関係者の近くだった為、猿夫には直ぐにバレていました
工事関係を装い 猿夫が盗聴器を仕掛ける事は可能です
 
豹はもう自己管理の出来る成人女性
 
そんなフィルターを掛けて彼女を見ていた私は 
二年に及ぶ引きこもりの間
みすみす 豹を治療から遠ざけたのでした
 
ストレスフリーの環境を持続しておけば
必ず 良くなる
 
そう思い込んでいました