かなりの遠回りを経て
「本物の病人」豹 を今の住まいに連れて来たのは
十年前のこの季節でした
彼女の部屋に テレビ・書棚・机・ベッド・カーペット
快適に引きこもり生活が出来るよう 精一杯 環境を整えました
豹は 一日のほとんどをベッドで寝て暮らし
起きる時間は食事・トイレ・入浴だけだったと思います
その当時のことを今年になって やっと彼女から聞きました
・訳の分からない焦り感がある
・幻聴が聴こえる
・イライラして過食してしまう
・頭の中を電流がグリュグリュンと流れて、かき混ぜられる感じがする
・時たま テニスボールくらいの白い光が部屋の中をフワっと横切る
・火災探知機に監視カメラが仕掛けられてる と思う時もあり
エアコンを設置した時は そこに監視カメラが付けられたと思っていた
・ヘリコプターが飛んでいる時は 自分の監視の為に飛んでいると思った
・時々 金縛りに襲われ辛かった
・時々 フラフラする
・外に出た時は 常に人に後をつけられ 見られている感がして不快
・外に出た時は 通行人が咳をすると 自分に対する嫌がらせの咳払い
と感じる
(尚、今 現在でも咳には弱く ケーキ屋のレジ係りが咳をすると
「小銭を出すのがおせぇんだよ、早くしろよ」
と、嫌味っぽく咳払いしている様に感じるそうです)
当時を振り返り 豹は おどけて言います
「あの頃は一日24時間の内 18時間寝ていた
食ちゃー寝、食ちゃー寝 してたから こんなに太ったのヨ」
私「ベッドで寝ていたのは 本当に寝入っていたのか?、それとも
ただ 横になっていただけなのか?」
豹「本当に寝入っていたよ」