長女の病魔は 本人自身が その病に気づけない 厄介モノでした
「皆にいじめられた」
そう言って 豹はパートを辞め
「お父さんの商いを手伝うから」と猿夫に申し出、
猿夫は娘の異変に気付かず
「フラフラと 勝手な事をしやがって」と腹立ちさえ覚えたそうです
自力で取得した資格ならではの職場 でのパートを辞め
長女が自称「家内労働者」となった期間は約二年でした
母である私の眼の届かない所で
彼女の病は 徐々に進みました
当時 一緒に猿夫の商いを手伝い、
一緒に暮らしていた長男の話しによると
「豹ちゃんは 最初の頃は伝票を書いたり
料理したりしていたけれど
段々 部屋に引籠る様になり 何もしなくなり
最後には 御飯さえ きっちり食べていなかった
誰が見ても オカシイのは分かった
顔つきが変わっていた」