昔々、私がまだ女性の原型をとどめていた時
JRが「国鉄」で
〈私鉄の方がサービスがいいよ〉と言われていた時代
とある私鉄のプラットフォームで友人と待ち合わせをしました
30分ほど早くに着いたと思います
さて 余った時間をどうつぶすか?
当時は 駅のベンチで文庫本を読む人、編み物をする女性など、
様々な待ち時間風景がありました
私は何も持っていません
ふと上を見ると 時刻表の看板が目につきました
あ、ちょうどいい♪
特急・急行・準急・各停…上り・下り…何時何分発…
メモ用紙に各時間帯を書いて、忠実に時刻表を写していきます
20~30分は その作業でつぶれる予定でした
数十メートルくらい離れた所にガラス張りの駅員室があったと思います
その部屋から若い駅員さんが私に近付いて来ました
「これ使って下さい」
手渡されたのは綺麗にカラープリントされた その駅の時刻表でした
爽やか笑顔に対しては こちらもニッコリせざるを得ません
「ありがとう♪」
かくして
私はまた手持ち無沙汰な時間を過ごさなければならなくなったのです