海(うみ)nanimositeinai’s blog

                             父は私を「素直な子」と言う呪縛で、ひとに歯向かわない女性に育てました。私は猿夫と結婚して「あぁ この人と結婚して良かった♪」と思った事は 且て今まで一度たりともありません。現在は精神疾患を持つアラフォーの長女と 出戻り息子との三人暮らしです。夫の名言【何もしていない】

病魔の正体を教えてくれたのは医者ではなく ネットだった

はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」

 

もう十数年以上も前の話しになります

 

薪で風呂を沸かし、はたきと箒で掃除をし、土間の釜戸で料理する

そんな時代に生まれ

家庭用冷蔵庫の製氷機に感動し、

水洗トイレに限りない喜びを感じ 

赤電話や黒電話が日常だった私です

携帯でメール通信は出来ても、パソコン機器・ネット環境とは無縁の生活を送り、

横目で、なにやら 義兄たちが新種の機械に奮闘している様子を見て

もう生涯 そんな難しそうな電化製品は使えなくても、十分一生を全う出来るだろう

と新しい文明品PCを遠目に見ていました

 

当時は毎日、独りで暮らす認知症の父の元に 手料理を持って通い

家には 数年引きこもりを続けている長女が居ました

私は、九割かたは ボケゆく父の介護に力を注いでいたと思います

娘は自分で精神科に通っている様子だったので

ゆっくり休ませれば治るだろう と思っていました

それに何より「統合失調症かもわかりません」と言って、診てくれた医師が

「恐れていた怖い病気ではありません」と太鼓判を押してくれたんです

鵜呑みに信じていた私ですが…

 

・・・おかしい、もう何年も上げ膳据え膳、洗濯に掃除、

客人のように世話しているのに、一向に自分で動こうとしない

うつ病なら 多少はマシになっている筈・・・

いつになったら 身の周り 自分で処してくれるのか・・

 

 

その日はたまたま 次男が、パソコン設備のある夫の元に帰省していました

夫は今でも ネット通信は出来ませんが

失業時の技能訓練で エクセルだけは習得していたのです

普段は何の向上心も無い夫が 必要に迫られてパソコンを買い揃えたのは

不幸中の幸いだったかも分かりません

 

私は長男とガラケーメールでやり取りしていました

私「統合失調症ってわかる?」

長男「今、虎(次男)がネット検索してプリントアウトしてくれたから そっちへ持って行くワ」

自転車を走らせて持って来てくれた数枚の用紙

 

なんと!

そこには長女のうったえていた症状が そっくりそのまま記載されていたのです

「誰かに見張られている」「白い車に後をつけられている」「お母さんも警察と連絡とってるん?」…奇異な被害妄想の数々

「幻聴が聴こえるけど 大丈夫 自分で幻聴だとわかるから」

 

 

長年引きこもるニート娘を、いい加減 自活させようと

若者自立支援塾に送り出すべく計画し、

太鼓判医師に診断書をあおいだ時、呑気そうに

鬱病とでも書いておきましょうかねぇ?(笑)」

 

いったい あの診察は何だったんだ!?

私は いったい何をしていたのか!?

もう 五年も経つ

職場の皆に悪口言われた と言って 仕事を辞めた、

あの時 発症していたんだ!

以前の通院医から処方された錠剤は「これには麻薬が入れられている、お父さんは自力で治せ と言ってたから」

と薬を捨ておく長女を見て、うかつにも 風邪薬のように軽く考えていた

服薬なくして送る日々は、、治療せずに放置したのと一緒だ

  

ただ手をこまねいていただけじゃない

他の心療内科にも連れていった

長女「いつか親に棄てられる様な気がします」

心療医「娘さんが そう言った時、お母さんはどんな風に答えたんです!?」とこちらを詰問

私「えーっと…『ふ~ん』と言ったと思います」

心療医「駄目じゃないですか!?そんな時は嘘でもいいから『絶対に棄てないから』と言わないと!」

・・・いやいや、なぜ娘がそんな考えになるか?を解明するのがプロの道じゃないですか?

口には出さず、、ただ 安定剤を処方されただけだった…

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もっと生活レベルが高く、もっと文化レベルが高く、

新時代のパソコンの文明に触れてさえいたら

インターネットの《検索》さえ知っていたら

悶々と訳の分からない病魔を相手に ジリジリ何年も

自分の生身をすり減らすことも無かったでしょう

 

無知が命取りになること

そしてネットが知識の宝庫であること

身をもって思い知らされた日でした